2012年7月15日日曜日

関西電力 喜撰山発電所(京都府綴喜郡宇治田原町)で揚水発電の意義をしみじみ考える

京都府の城陽から滋賀県大津市へと抜ける府道3号を走っていると関西電力 喜撰山発電所(京都府綴喜郡宇治田原町)の入り口を見つけました。
淀川へと続く瀬田川に大きな鉄橋が架けられた上に発電所の門が設けられています。残念ながら関係者以外立ち入ることが出来ないようになっています。この上に、喜撰山ダム喜撰山発電所があるようです。
下を流れる瀬田川は、この先数キロメートル先にある天ヶ瀬ダムでせき止められていて、この周辺もダム湖の一部となっています。琵琶湖から流れ出た水がここで一旦貯められることにより、宇治市周辺の水害防止に役立っているそうです。
それと夜間には余剰電力を使って、このダム湖の水を上部の喜撰山ダムへと汲み上げています。
橋の上から上流を望むと、喜撰山発電所の取排水口が見えます。昼間の電力ピーク時には、発電に使った水が排水され、夜間には汲み上げるための取水口となります。
上部の喜撰山ダムと下部の天ヶ瀬ダムの間を昼夜、水が行き来する発電を「揚水発電」と呼びます。出力調整が出来ない原子力発電の夜間余剰電力を消費するために設置が加速された歴史があるため、原子力発電と同様に揚水発電も批判の対象となることがしばしばあります。
しかし揚水発電の歴史は古く、原子力発電が開始されるはるか前に稼動(日本では昭和9年に最初の揚水発電所が稼動)されていましたし、火力発電も細かな出力調整が出来ないので、夜間の余剰電力を蓄える揚水発電所は不可欠です。また、原子力発電所を仮に全廃させたとしても、全国の水力発電所を夜間にフル稼働させれば、そのエネルギーを昼間のために蓄えることだって出来ます。このご時世に原子力を批判する気持ちは分かりますが、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」的に少しでも原子力に関係あるものを批判の対象としてしまうのは知識が貧困な証拠です。批判は思考を停滞させてしまいます。利用可能な安全なエネルギーをうまく使っていくことを考えてゆく方が未来が見えて楽しいと思います

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